看護師として7回転職してわかった「辞めるべき職場」と「残るべき職場」

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はじめに:あなたも「辞めたい」と思っていませんか?

夜勤明けの朝、ふとスマホを握りしめながら「看護師 辞めたい」と検索しているあなたへ。

毎日忙しく走り回る日々の中で、「このままでいいのかな」と感じたり、誰にも言えないモヤモヤを抱えていたりしませんか?

私も、そんなふうに悩みながら働いていました。

「もう限界かも」「でも辞めたら後悔する?」「家族や同僚にどう思われるかな?」——そんな思いを抱えながら、それでも私は7回転職しました。

妊娠、出産、育児、そして職場の人間関係や制度とのズレ……さまざまな経験を経て、今だからこそ言えることがあります。

この記事では、私が7回の転職を通して実感した「辞めるべき職場」と「残るべき職場」の違いについて、実体験をもとにお話ししていきます。

この実体験が少しでもあなたの気持ちに寄り添えたり、勇気になってくれればうれしいです。


看護師としての始まりと妊娠の発覚

「もう無理かもしれない」と思った瞬間は、一度や二度ではありませんでした。

私はもともと社会人として別の仕事をしていましたが、

「手に職をつけたい」

「一生続けられる仕事がしたい」

と考え、思い切って看護学校に入学しました。

授業はとても厳しく、毎日課題や実習に追われながら、必死で勉強しました。その結果、私は学年でも上位の成績で卒業することができました。人生でこんなに勉強したのは始めてかもしれません。

ようやく手に入れた初めての就職先は、公務員として働ける病院。

安定した職場に入れてほっとしていました。周囲からも「いいところに決まったね」と言われ、自分自身も未来に希望を抱いていました。私の父も母もすごく喜んでくれました。

ところが、入職直後の健康診断で、まさかの妊娠が発覚。それまで妊活をしていましたが、妊娠することはできず、子どもがいない人生と割り切った時期もありました。

何回か妊娠はしましたが、流産してしまうこともあり、妊娠は難しいと思っていたので、驚きと戸惑いで胸がいっぱいに。レントゲンも撮れず、異例の“妊婦新人看護師”としてのスタートを切ることになりました。

当時の私は、「せっかくここまで頑張ってきたのに、どうして今…」という複雑な気持ちを抱えていました。嬉しいはずの妊娠が、これから始まるはずだった看護師人生にどう影響するのか、不安と期待が交錯していたのを覚えています。


妊娠しながらの新人看護師生活

新しい環境に慣れるだけでも大変ななか、妊娠という人生の大きな転機も重なり、私は常に不安と緊張に包まれていました。

職場では、妊娠している私を気づかってくれる人もいれば、

「新人なのに甘えている」「妊婦なのに入職するなんて無責任」といった冷たい視線を向けてくる人もいました。

「流産したらどうしよう」「少し動いただけで出血したらどうしよう」——そんな不安を毎日抱えながら働く日々。仕事に集中しようとしても、体調は安定せず、心にも余裕はまったくありませんでした。

新人教育も受けましたが、正直なところ内容がほとんど頭に入らず、

「仕事を覚えなければ」という焦りと、「赤ちゃんを守らなければ」という強い責任感の狭間で気持ちは揺れ動いていました。

体調不良による早退や欠勤も増え、「また休み?」「大丈夫?」という無言の圧力を感じるように。朝礼やカンファレンスでは立っているのもしんどいのに、「妊婦だから仕方ない」と思われたくなくて無理をしてしまい、自分の心と体を追い詰めていきました。

日々、誰にも相談できない不安を抱え、孤独を感じていた私は、次第に自分が職場にとって“迷惑な存在”なのではないかと思うようになっていきました。職場に向かう足取りはどんどん重くなり、笑顔も少なくなっていたと思います。


出産とその後:復帰後に突きつけられた現実

無事に出産できたことは、何よりの喜びでした。命がけで守った我が子と過ごす時間は、かけがえのないものでした。

ところが、育児休暇から復帰した直後に言われたのは「夜勤もお願いします」という一言。新人教育もままならない私には選択権なんてありませんでした。

まだ1歳にも満たない子どもを託児所に預け、夜通し働くことに、大きな不安と抵抗を感じました。

芸能人の堀北真希さんが「子どもと一秒でも離れたくない」と話していたのを思い出し、まさにその通りの気持ちでした。

仕事と家庭のどちらを優先するべきか。自分らしさとは何か。母親として、看護師として、どうあるべきか。葛藤の日々が続きました。

職場は制度や教育体制が整っており、看護師として成長するには申し分ない環境だったと思います。

しかし、私にとって一番大切なのは、目の前にいる我が子の存在でした。そのため、私はその病院を辞める決断をしたのです。

同じ立場の同僚がいれば、もう少し違ったかもしれません。しかし当時の私は、理解者が少ない中で、自分を守る唯一の選択として退職を選びました。

退職を伝えたとき、何人かの先輩は優しい言葉をかけてくれましたが、正直なところ「もったいない」「続けていれば良い看護師になったのに」といった言葉が、さらに胸に突き刺さりました。


「何も学ばずに辞めた」という後悔

看護師としてのキャリアをスタートさせたばかりで辞めてしまった私は、「何も得られなかったのでは」という後悔が少なからずありました。

社会人から看護学校に入り直し、あれほど努力して取った国家資格。ほんの数ヶ月で手放す結果となったことに対する無力感は、今でも少し残っています。

それでも、私にとって当時最も大切だったのは「母になること」でした。赤ちゃんの命、自分自身の体、家族との時間。それらを守るための決断だったのです。

「逃げたわけじゃない」と自分に言い聞かせながらも、「看護師として何かを残したかった」という未練が、心のどこかにずっと残っていました。

人と比べてしまうこともありました。「あの人は産後すぐに職場復帰して頑張ってるのに」「私は逃げただけなんじゃないか」と、自己嫌悪に陥ることもありました。けれど、自分と向き合い、自分の選択を肯定できるようになるまでには、時間が必要でした。


2回目の転職:やさしいサポートとの出会い

育児も少し落ち着いてきたころ、「もう一度、看護師として働きたい」という気持ちが芽生えました。そこで、転職サイトに登録することにしました。

紹介されたのは、療養病棟のある落ち着いた病院。担当者はとても親身になってくれて、履歴書の添削や面接のアドバイスを丁寧に行ってくれました。

面接にも同行してくれて、「本当にこんなにサポートしてくれるの?」と驚くほどでした。

希望していた託児所付きの病院もきちんと考慮され、結果的に子育てと仕事を両立しやすい職場に出会うことができました。

子どもが熱を出したときに、「大丈夫、今日は帰ってあげて」と言ってくれる同僚がいる職場。そんな小さな優しさに支えられ、「ここならやっていける」と思えるようになりました。

その職場では、急な休みにも理解があり、「子どもがいるから仕方ないよね」という雰囲気ではなく、「お互いさまだよ」と言ってくれる人たちがいました。

この職場との出会いは、私の中で「看護師としてもう一度頑張りたい」という希望を再び灯してくれたのです。


辞めるべき職場・残るべき職場の違いとは?

辞めるべき職場の特徴

  • 妊娠や子育てに理解がない
  • 夜勤や残業が当然という空気がある
  • 無理な働き方が求められる
  • 新人の意見や不安が軽視される
  • 「皆がやってきたからあなたもやって当然」という考え方
  • 感情より効率が重視される風土
  • 人材より労働力として扱われる雰囲気がある

残るべき職場の特徴

  • 上司や先輩と率直な会話ができる
  • 子育て中のスタッフに配慮した制度がある
  • チーム全体で助け合う文化が根付いている
  • 無理をしなくても働ける仕組みが整っている
  • 誰かが困っていれば自然に手を差し伸べる風土
  • 「人としてのつながり」を大切にしてくれる職場
  • 一人ひとりの背景や生活に耳を傾ける姿勢がある

終わりに:働き方は自分で選んでいい

妊娠中や育児中に看護師として働くことは、本当に大変です。不安や孤独、迷いの中で、自分の選択に自信が持てなくなることもあります。

でも、「辞める」「転職する」という選択は、逃げではありません。自分自身と家族を守るための、立派な判断です。

もし今、看護師としての働き方や将来について悩んでいる方がいれば、私の経験が少しでも力になれたら嬉しいです。

正解の働き方はひとつではありません。看護師として誇りを持ちながらも、自分らしく働ける場所を見つけていい。そう、自分の人生は自分で決めていいのです。

次回は、私が経験した「3回目の転職」について。実はうまくいかなかった、そのリアルな体験を正直に綴ろうと思います。

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